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メキシコで自家用車を購入するメリット・デメリット


投稿日 : 2023年 04 月 27日   更新日 : 2023年 04 月 27日   カテゴリー :メキシコで暮らす

メキシコはメキシコシティやグアダラハラなどの一部の都心部を除き、電車の公共交通網は少なく、どちらかというと車社会です。通勤には会社の提供するバスや、公共機関のバス、自家用車、タクシーなどを使用します。あれば何かと便利な自家用車ですが、実際のところどうなのか、今回はメキシコで自家用車を購入するメリット・デメリットについてご説明いたします。

メリット

1、利便性

車社会のメキシコでは概ねどの家にもガレージがあり、自家用車を持つ日本人の方も多くいらっしゃいます。自家用車を持つ一番のメリットは利便性です。通勤や買い物など、いつでも思い立った時に行動できるので大変便利です。また小さなお子さまや学齢のお子さまがいらっしゃる場合、体調不良の時に病院へ行く、日々学校へ送り迎えするなど、より自家用車が必要なケースが多いでしょう。

2、資産価値の目減りが少ない

車の需要が高いこと、また近年の半導体不足による車生産の滞りから、メキシコで車は資産の上位であり、走行距離が多くなったり、年式が古くなっても、日本と比べあまり資産価値が下がりません。新車を購入しようにも数か月待ちという状態もあり、中古車を購入される方が多いですが、数年経ってから売却する時に、少し値段は下がるものの、販売先に困ることはそうないでしょう。

3、観光大国メキシコを満喫できる


Chihuahua

Chihuahua

意外に知らない、メキシコはこんなにすごい国!」でもご紹介しましたが、メキシコは数多くの世界遺産を有する観光大国です。国中に観光名所がありますが、自然豊かな観光名所へ公共機関で行くのは難しい場合があります。運転免許を持っている場合はレンタカーという手もありますが、自家用車を持っていると待ち時間なく、快適に観光を楽しむことができます。

デメリット

1、面倒な手続きが多いこと

  • 運転免許取得
    メキシコはジュネーブ条約に加盟していないため、国際運転免許証は使用できません。メキシコで運転をするためには、メキシコの各州が発行する運転免許証を取得する必要があります。運転免許を取得するには、日本の運転免許証を提示することで筆記・実技試験を免除される州もありますが、試験を科される州もあります。いずれかの州で運転免許を取得できればメキシコ全土で使用可能です。以前の記事「メキシコの交通事情 」でもご紹介しておりますので、ご参考になさってください。
  • 車購入、名義変更、ナンバープレート取得
    車購入:代理店から新車で購入する、中古車を購入する、個人的に購入する方法があります。新車は分割支払いの場合、ローン審査を受ける必要があるうえ、納車まで数か月待ちというケースが多く、中古車を購入される方も数多くいらっしゃいます。中古車で購入する場合、購入者が所有登録やナンバープレート交付手続きを行う必要があります。個人的に購入する場合は、中古車と同様の手続きに加え、いつから所有者が変更になったのかを明示した書類(Carta Responsiva等)を取り交わすことをお勧めします。もし旧所有者が事故などを起こしていた場合、この書類があれば所有開始の日付を証明できます。

    名義変更・ナンバープレート取得(グアナフアト州の場合):車を中古車斡旋業者や個人から購入する場合、前所有者は所有登録を一時抹消するバハ(Baja)という手続きを済ませた状態で引き渡されます。ナンバープレートも同時に放棄されるため、車にはナンバープレートが付いていません。新しい購入者は、できるだけ速やかに名義登録とナンバープレート交付を受ける手続きをする必要があります。この期間は一時的な交通許可証(Permiso Provisional)をフロントガラスに貼り運転することができますが、ナンバープレートがないため、警察に確認される頻度が増えます。
    名義登録とナンバープレート交付は州管轄の税務署(Oficina Recaudadora de Gobierno del Estado)で行います。ここで気を付けたいのは、州外で購入した車を異なる州で登記する場合、事前に盗難車でないことを確認する車両検査(Revisión Vehicular)をグアナフアト州検察管轄の車両検査所(Módulo de revisión vehicular de la Fiscalía General del Estado de Guanajuato )で受ける必要があります。税務署で所有登録をする手続きアルタ(Alta)を済ませ、ナンバープレートを交付してもらいます。ナンバープレートは自身で車に取り付けます。またこの手続きを行うと、交通許可証(Tarjeta de Circulación)が発行されます。この交通許可証には、所有者と車の情報が記載されており、運転時には運転免許証と共にいつも携帯をする必要があります。



    交通許可証(Tarjeta de Circulación)

    交通許可証(Tarjeta de Circulación)

  • 車所有税・排ガス検査(グアナフアト州の場合)
    車の所有者には車所有税の支払いと、排ガス検査が義務付けられます。
    所有者税(Refrendo)は年に一度、1-3月内に支払いを行い、支払い証明を保持している必要があります。支払いは薬局などで行えます。
    排ガス検査(Verificación Vehicular)の頻度は、新車購入後60日以内に排ガス検査が必要で、1回目の検査後2年間は検査が不要です。(新車)購入後2年が経過した車は上・下半期の2回に分けて検査が必要です。排ガス検査は登録している州ごとに行います。指定の検査場で行い、排ガス検査を受けている証明書を保持している必要があります。
  • 車検制度
    メキシコには日本のような車検制度はありません。車の状態を管理・維持するのは所有者の役目であり、正規ディーラーなどで購入・転売する場合には、サービス・ログ(Bitácora de Servicio)という冊子に定期的に車を検査し、良い状態に保っている記録をつけることが推奨されていることもあります。ディーラーにより異なりますが、おおむね10,000キロか年毎に検査が求められます。またディーラーから購入した場合、1年間程度の保証期間が付帯されますが、このサービス・ログを行っていないと保証されないケースもあります。

    排ガス検査証明書(Certificado de Verificación Vehicular)

    排ガス検査証明書(Certificado de Verificación Vehicular)

2、費用がかかる

車を購入、所持するには下記のような費用がかかります。年数や使用頻度にもよりますが、公共機関での移動に対し、自家用車を購入する方が割高になる傾向です。

  • 新車:$300,000-700,000程度
  • 中古車:$200,000-400,000程度
  • 運転免許取得:(取得する有効年数、車種、州より異なる)$ 600程度
  • 名義登録・ナンバープレート交付:(車種、州より異なる)$ 524⁺643=$1,200程度
  • 保険加入:(車種、年数、ベネフィットにより異なる)$ 8,000-10,000程度
  • 税金:車所有税 排ガス検査:(車種、州より異なる)$ 905⁺677=$1,600程度
総計マックス試算:$701,000程度

3、注意したいメキシコシティの運転制限

排ガス問題が深刻なメキシコシティでは、汚染対策として曜日ごとに運転できる車を制限しており、ナンバープレートの末尾の数字で運転できる車や時間が決まっています。



メキシコ州・メキシコシティで運転するにはこの規制を順守するか、ドブレセロ(DOBLE CERO(00)を取得する手もあります。ドブレセロ(Centro de Verificación 00)各州で申請でき、費用を支払うとステッカーが発行されフロントガラスに添付します。なお、州外の車がドブレセロを持たずに入る場合、所有している州に加え、メキシコ州・メキシコシティでも排ガス検査も行っている必要があります。

4、交通事故・交通違反の可能性

運転していると、交通事故に巻き込まれたり、自身が事故を起こしてしまうことがあります。いずれの場合も、事故が起きたら速やかに保険会社を呼びアジャスターの指示に従いましょう。交通事故に巻き込まれた場合は、相手の車のナンバーや運転手の身分証明書などを記録して、逃げられた場合でも保険会社に申告できるようにする必要がありますが、悪質な相手の場合はトラブルに発展しかねませんので、慎重に行いましょう。
また、自身が交通違反をしてしまうケースもあります。交通違反で取り締まりを受けるのは、駐車違反、スピード違反、携帯電話を使用しながらの運転などが挙げられます。

  • 駐車違反:メキシコは概ね道路脇に駐車することが許されていますが、専用駐車場前や曲がり角、黄色又は赤で塗装された歩道脇、横断歩道、車椅子通路など、至る所に駐車禁止ゾーンがあります。駐車違反の車を取り締まる際は、日本のようにタイヤロックやレッカーではなく、一番多い処罰は、違反の張り紙をし、後ろのナンバープレートを外して持ち帰られてしまいます。指定の場所で罰金を支払い、用紙に押印を受けてから指定の警察にいくとナンバープレートは返却されます。違反切符発行から3日以内に手続きを行わないと、日毎に罰金が加算されます。
    また、緊急車両出口に駐車してしまった場合などはレッカーで撤去される場合もあります。その場合は、上記の手続きに加え、保管場所に車を取りに行くこと、レッカー料金および保管料金の支払いが求められます。
  • スピード違反:スピード違反は、日本と同様に道路脇などで任意に行われています。白バイによるスピード違反取締も行われています。スピード違反で止められた場合は、指示に従い脇に駐車し、車の中に居たまま警察が近寄って近寄って来るのを待ちます(車外に出ると逃亡すると誤解され危険)。運転免許証(Licencia de manejar)や交通許可証(Tarjeta de Circulación)の提示を求められ、違反切符を切られ、交通許可証(Tarjeta de Circulación)を取り上げられます。こちらも駐車違反で没収されたナンバープレートと同様に、罰金を指定場所で支払い、警察に出向き提出すると返却されます。
  • 携帯電話をしながらの運転:大きな幹線道路などで取り締まりが行われています。違反切符などはスピード違反とあまり違いはありません。近年メキシコ政府が違反取締に力を入れています。

罰金は発生状況などによって定められるため公開されていませんが、駐車違反は$800、スピード違反は$3,000、携帯電話をしながらの運転は$1,000程度です。

5、車上強盗の危険性

在メキシコ日本大使館が発表する海外安全対策情報によると、日本人が巻き込まれる最も多い被害は車上強盗です。買い物などの駐車中に窓ガラスを割られて車中の金品を奪うケースや、走行中に車両自体を狙われるケースが見受けられます。車は資産価値が高く、高級な車や大型車は特に狙われやすいと言われていますので、注意しましょう。

まとめ

メキシコは長距離バスやタクシーやUberなどの配車アプリが充実しており、車がなくて問題ない方もいらっしゃる一方、時間の制限なく、所用や観光にでかけられる自家用車の利便性も見逃せません。
ご自身の生活スタイルにあった選択をし、快適なメキシコライフを楽しんでください。
※2023年3月時レート:1MXN=約7円


以上、「実際どうなの、メキシコ生活」シリーズとして、メキシコで自家用車を購入するメリット・デメリットについてご説明いたしました。メキシコで就業して生活する皆さまを弊社クイックグローバルメキシコがサポートさせていただいております。クイックグローバルメキシコでは数多くの求人をご案内しておりますので、お気軽に無料相談フォームからご連絡ください。

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