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文化の違いから考えるメキシコでの採用


投稿日 : 2022年 10 月 13日   更新日 : 2022年 10 月 13日   カテゴリー :メキシコで働く

注: 本文では「スペイン語を第一言語とし、メキシコ文化に精通している方」を「メキシコ人」、「日本語を第一言語とし、日本文化に精通している方」を「日本人」と表現しております。国籍による違いを差別的に表現するのではなく、文化や言語の違いを相対的に表すために用いた言い回しとなりますのでご了承ください。

クイックグローバルメキシコは、2015年にメキシコに進出して以来、通訳翻訳職をはじめとするスペイン語・日本語話者の紹介に力を入れてまいりましたが、近年は現地化を進める企業の増加と共に、語学の有無に関わらず、高いスキル・経験を持つメキシコ人採用の引き合いをいただくことも増えております。
ところが、メキシコ人の方に内定を出してもなかなか入社してくれない、入社したのに他で良い待遇のオファーをもらったので数週間で退職してしまった、など、日本とは異なる就労文化・仕事観に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、日本人・メキシコ人双方の採用サポートをしている弊社の経験から、日本人とメキシコ人の採用の違い、メキシコ人を採用する際に認識しておくべきことをまとめました。是非採用活動の際に参考にしてみてください。

1、採用活動をする際の考え方

採用活動をする上でご認識いただきたいのが、「企業が求職者を選ぶ」だけではなく、「求職者も企業を選んでいる」という点です。求職者の考え方を理解することで優秀な求職者の獲得に繋がりますので、パターン別で想定される例を記載いたします。


1、日本在住日本人のメキシコ就職


母国を飛び出して遠く離れた国への就職は決して容易なことではありません。その為、慎重に就職活動を行う傾向にあり、複数社同時応募をして入社する企業をじっくり選んでいる印象です。業務内容や待遇はもちろんですが、最終的な決め手は「面接官の印象」という方も少なくありません。以前「採用活動が上手くいかない・従業員が定着しない状態を改善する為に企業ができること」でご紹介したように、候補者を見極めるのではなく、相互理解の場となるよう、自社アピールも行っていただくことをお勧めします。


2、メキシコ在住日本人の国内転職


メキシコでは4年の就労で永住ビザを取得できる為、このタイミングが次の転職を考えるきっかけの一つとなります。就労ビザや永住権・語学スキル・メキシコでの就労経験は常に売り手市場の為、必然的に希望給与が上昇します。また、メキシコの福利厚生やエリア情報にも精通している為、細かな条件を希望する方も多いようです。
昨今の傾向では、求めるスキル・経験にマッチしていても企業が提示している待遇が求職者の希望に満たない為に選考を辞退する求職者もいらっしゃいます。


3、メキシコ在住メキシコ人の国内転職


日本人とメキシコ人の就職活動の大きな違いの一つは、メキシコ人には「日系以外の選択肢がある」という点です。つまり、企業にとっては日系以外の外資系企業(以下、外資系企業)・メキシコの地場企業(以下、地場企業)がライバルとなります。優秀な人材には給与を惜しまないと考える欧米系企業も多いようで20代半ばでも5万ペソ、30代前半で7万ペソのマネージャーなども珍しくありません。メキシコでは学生時代から正社員として働く方も多い為、年齢イコール経験ではないということを念頭において採用活動を行っていただくことをお勧めいたします。

2、メキシコ人が内定を辞退する理由

メキシコ人の求職者の多くは、積極的に就職活動を行っている方と、面白そうな仕事があれば転職を考えようという方の2パターンに分けられます。
1つ目のパターンの場合、ほとんどの場合は地場企業、外資系企業を含む複数社同時に選考を受けています。先にオファーを受けた企業、待遇が良い企業、その他自分が望む働き方ができる企業などを決め手として入社先を決める傾向にあります。求職者から選考に進んでいる企業の条件を共有していただくと、欧米系企業は福利厚生がかなり充実している印象で、待遇を優先してそういった企業へ入社する決断をする方が多いように感じています。例としては、高額医療保険、生命保険、積立金、フードクーポン、法定以上のアギナルドとバケーションボーナスを付けている企業が多く、更に在宅勤務やハイブリッド勤務、もしくは社用車貸与をしている企業も日系企業と比べると数が多い印象です。最近では在宅勤務ができる職場が特に人気となっています。
2つ目のパターンの場合、パターン1と同じケースもありますが、特に優秀な方は高待遇でスカウトを受けることがあり、決め手のほとんどは待遇UPです。また、退職交渉時に昇給昇格して現職に留まるケースもあります。

3、内定承諾を獲得するためにできること

上記で述べた通り、メキシコ人求職者は日系企業以外にも目を向けて仕事を探しています。その為、内定を多く獲得する優秀な人材から自社を選んでもらうために、下記の2点が重要になってきます。


1、選考のスピード感


同じタイミングで複数社選考が進むと、選考スピードが早い企業に対する志望度が上がる傾向にあります。理由は自分に対する温度感・興味が高い企業だと感じたり、離職中の方は早く定職に就きたいという想いがあることが理由として挙げられます。外資系企業や地場企業は日系企業と比較すると、選考開始からオファーまで期間が短く、中には面接当日にオファーを出す企業もあるようです。とは言えじっくり見極めたいと考える企業や、予算の関係等の理由で採用の最終判断が日本本社となる為に稟議決裁に時間が掛かってしまうこともあるかと思いますので、面接回数を1~3回に抑えて早めにスケジューリングをしたり、予算計画の段階で採用活動に掛かる費用を確保しておくことをお勧めします。


2、面接の内容


求職者にとっては面接で企業の印象が決まる為、その内容は内定承諾獲得を左右します。候補者の経験や希望条件のヒアリングのみでなく、自社の説明やそのポジションにどんな人材を求めているのか、企業側からの情報提供も行いましょう。また、ハラスメントに厳しいアメリカの就労文化が徐々にメキシコに入ってきているため、家族構成や年齢、仕事に直接的に関係しないようなプライベートな質問は避けた方が良いでしょう。どうしても確認が必要な場合は、その質問をする理由(例:「残業が発生する為子どもがいると大変かと思い確認です。」「上司が年下になるがやりにくさを感じてほしくないので少し年齢の話をさせてもらってもいいですか?」など)を付け加えることで相手に与える印象が大きく変わります。
さらに、英語やスペイン語のHPを充実させることで企業がどういう理念でどのような仕事をしているのかイメージしやすくなり、求職者の安心に繋がるでしょう。

4、離職率低減のために企業ができること

採用成功も重要ですが、自社の優秀な社員の退職を防ぐことが一番理想的です。
従業員にとって昇給昇格は腰を据えて働けるかどうかの決め手となりますが、企業にとってはなかなか判断が難しいところですよね。しかし、日系企業の中にも、平均よりも給与が低いにもかかわらずスタッフの定着率が高い企業もあります。それらの企業が口を揃えて言うのは、管理職の従業員に対する想いです。企業にとって従業員は「給与を受け取っている以上、会社の方針に従って働くべき」とも考えられますが、従業員にとっては「自分のスキルを使って会社に利益を生み出している、会社はもっと従業員を尊重すべき」と考える人も少なくありません。そのギャップを埋めるためにパフォーマンスに見合う評価をすることは勿論、社長やマネージャーなど上司にあたる方が従業員の気持ちに耳を傾け、双方の考え方を擦り合わせていくことが大切です。また、従業員の家族を巻き込んだイベントを実施したり、優秀社員には日本での研修の機会を与える、など、従業員にとって頑張りたいと思える環境を用意するなど工夫している企業も多いようです。日系企業といえどメキシコで働いていることを認識し、日本の仕事に対する考え方や技術を伝えつつも、日本とメキシコの文化の違いや働き方の違いをある程度受け入れ、調和を取ることが重要なポイントとなります。

5、まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、多くの求職者様・企業様から就職や採用についてお話してきた弊社の経験を基に、採用側の視点で工夫できるであろう項目をまとめております。クイックグローバルメキシコでは、企業様・求職者様双方にとって納得のいく採用活動・転職活動ができるよう、企業様から求人をお預かりした後、条件に該当する求職者へ求人をご案内し、応募承諾をいただき次第企業様へご推薦しています。経験豊富な方、優秀な方ほど詳細を気にされる傾向にある為、業務内容や採用条件が定まっていなかったり、即日入社必須など会社都合な要望が多いと候補者が集まりにくくなってしまいます。お忙しい中お手間をお掛けしますが、少しでも候補者をご案内できる様、募集内容の擦り合わせにご協力をよろしくお願いいたします。人材採用に関するご相談がございましたらいつでもお気軽にお問合せください。


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