メキシコ最大の祝祭と言われる死者の日。メキシコ版のお盆「死者の日」とはどのようなものか、ピクサーの映画「リメンバーミー」でその世界観をご覧になった方も多いのではないでしょうか。
今年もまもなく死者の日がやってきます!今回はメキシコの「死者の日(Día de Muertos)」について知っておきたい5つのことをご紹介します。
メキシコ最大の祝祭「死者の日」について知っておきたい5つのこと
死者の日の起源は先日の記事「メキシコの歴史を知ろう!」の、メキシコ古代文明まで遡ります。古代では死はミクトラン(死者の場所)への旅の始まりとして考えられ、故人の魂はミクトランテクトリ(死者の領主)とミクテカシワトル(死者の女性)に到達するまでにさまざまな障害を乗り越えなければならず、永遠の安息を得るためにミクトランの神々に捧げ物をしなければなりませんでした。
この先住民の死者の供物のお祭りと、16世紀にスペイン人がもたらしたキリスト教が融合し、現代のメキシコの「死者の日」となりました。ハロウィーンの起源であるカトリックの万聖節(11月1日)、万霊節(11月2日)に開催され、11月1日に子どもの魂が、2日に大人の魂が戻ってくると言われています。
出典:CC「死者の日、伝統の起源」
メキシコの「死者の日」は2008年にユネスコ無形文化遺産に指定されました。メキシコ国家人権委員会(CNDH)のHPにある死者の日の説明には、メキシコで宣教活動を60年以上にわたり行った修道士であり歴史家であるベルナルディーノ・デ・サアグンがメキシコの死生観について語った言葉「人は死んで滅びるのではなく、夢から覚めたように再び生き始め冒頭、精霊や神々になる。」が引用されています。
出典:メキシコ国家人権委員会「死者の日」
「死者の日」には死者と生者が共にひと時を過ごします。お墓にメキシコ原産の「死者を導く花・マリーゴールド」を飾ったり、教会や墓地や家にオフレンダと呼ばれる祭壇を作り、供物を捧げます。メキシコの祭壇の基本は「水、地、風、火」の4つの要素を必ず取り入れることと言われており、以下のような供物が使用されます。
また、その他にも以下のようなものが飾られます。
カトリーナとは女性の名前で、死者の日には街中にカラベラ・カトリーナ(骸骨のカトリーナ)が溢れます。このカラベラ・カトリーナには2つの起源があります。
1つ目は19世紀にメキシコで死や骸骨の単語で韻を踏む風刺ポエム(poema de calavera)が流行りました。2つ目は20世紀になり、メキシコの政治風刺画家ホセ・グアダルーペ・ポサダが、死を擬人化した骸骨にフランスの貴婦人の帽子と衣装を着せたカトリーナという貴婦人の石版画を描き、これに「Todos somos calaveras(私たちはみんな骸骨)」という風刺ポエムを添えました。先進ヨーロッパの真似をする当時のメキシコを皮肉った内容のこの画は大流行し、今では死者の日のアイコンとなっています。その一つの例としてメキシコの死者の日に人々は顔にカトリーナ(骸骨)メイクを施し、花やドレスで着飾ります。
出典:Educación Activa「¿Qué es una calavera literaria y sus características?」
メキシコ各地で死者の日が祝われますが、大規模なパレードや特色ある地方のお祭りをご紹介します。
古代メキシコでは死は忌むものではなく、自然の摂理のひとつとして捉えられていました。現代のメキシコでは亡くなった方たちは死者の日に戻ってきて、生者も死者のように骸骨メイクをして、共に楽しい時を過ごします。この時期、メキシコはマリーゴールドの花であふれ、子どもたちは骸骨メイクで夜更かしをします。皆さまもぜひメキシコの死者の日をお楽しみください。
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