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メキシコの教育システムについて


投稿日 : 2021年 05 月 17日   更新日 : 2021年 05 月 17日   カテゴリー :メキシコで暮らす

メキシコで働きたいと思っても、就学年齢のお子さまがいらっしゃる場合、メキシコの教育環境が心配だと思われたことはありませんか。メキシコにはどんな学校があるのか、日本語や英語対応は可能なのか、どのような教科が学べるのか、メキシコに数年居て日本に戻った場合はどうなるのかなど、気になるのではないでしょうか。
以前の記事「メキシコ渡航準備 気になる8項目」ではメキシコにある日本人学校を簡単にご紹介しましたが、今回はメキシコの教育システムや現地校、日本人学校についてもより詳しくご紹介いたします。現地校の仕組みや日本の学校との違いを知ることで、ご家庭の教育方針やお子さまの個性に合った学校選びの参考になりましたら幸いです。
※2021年4月時点の情報です。詳細は各校にお問い合わせください。

メキシコの学校制度

メキシコにはSEP(Secretaria de Educación Publica)と呼ばれる教育省があり、日本の文部科学省に相当します。公立私立にかかわらず学校を卒業するとSEPの認定書が与えられます。メキシコの教育制度は、(3)・6・3・3・4制をとっており、義務教育は3歳~18歳(幼稚園~高校)と日本より長いのが特徴です。3〜6歳までは幼稚園(Preescolar)、6〜12歳までは小学校(Primaria)、12〜15歳までは中学校(Secundaria)、15〜18歳までが高等学校(Preparatoria)です。なお、メキシコの高等学校の多くが公立大学の附属学校です。
学校の年度は8月から始まり、翌7月で終了します。年間授業日数は180〜200日で日本とあまり変わりません。

メキシコは基礎教育(幼稚園・小学校・中学校)に関しては学期制を取らず、高校に関しては通常は2学期制をとっています。
いずれにも公立と私立の学校があります。義務教育課程の公立校においては授業料・教科書代ともに無料です。公立小学校では、スペイン語、算数、歴史、公民、自然科学、体育、芸術、技術の8教科で、教科ごとの時間配分は学校によって異なります。公立中学校では、小学校での教科に、地理、生物、化学、物理、代数、幾何学、教育概論、外国語が加わります。
私立校では国定教科書は無償で供与されていますが、補助教材は有料です。私立校のカリキュラムは学校によって定められますが、公立学校の基本的な教科に加え、外国語、美術、文化教育、体育を充実させているケースが多いようです。
学習する時間は公立私立、学校によっても異なりますが、幼稚園は8時~12時、小学校は8時~13時、中学校は2部制を取っているところが多く、午前の部8時~13時と午後の部14時~20時が一般的です。

高校は卒業後に進学か就労予定なのかに分かれます。進学予定の場合、大学の検定基準に準拠した教育課程内容を3年間で履修します。卒業後就労する場合は職業訓練学校に類する高校に通い、専門技術者の資格を得て、就職に役立てます。

大学は基本的に4年ですが、医学部などは5年以上あります。メキシコの有名な大学といえばメキシコ国立自治大学(UNAM:Universidad Nacional Autónoma de México) 、メキシコ自治工科大学(ITAM:Instituto Tecnológico Autónomo de México)モンテレイ工科大学(ITESM:Instituto Tecnológicoy de Estudios Superiores de Monterrey)などが挙げられます。在メキシコの日系企業に出身者が多いモンテレイ工科大学は、学習レベルが高く、優秀な生徒が多いと言われています。本部のモンテレイだけではなく、下図のようにメキシコ全土にキャンパスがあり、地域差なく同教育が受けられるのが特長です。

また、メキシコではインターンシップやソーシャルワークが学校の授業の一環で必須となっている場合があり、職歴としてカウントされることがあります。
メキシコでは大学で専攻した科目に関連した仕事に就くことが多い為、インターンシップを通して早くから実戦経験を積んでいる学生が目立ちます。

日系企業の重要課題、子女教育

日系企業にとって、オフィスや工場のある地域に日本人学校や補習授業校、日本人が通えるインターナショナルスクールや現地校があるかどうかが、社員受け入れの大きな要素のひとつとなっています。子女教育は海外進出の企業にとって重要な課題であり、日本本社の総務や組合が地域の学校に出向き、学校がある場所の治安、教育レベル、スクールバスの有無、外国人受け入れ実績などの視察調査を行う企業も少なくありません。

地域別 メキシコの現地校

メキシコには日本と同様に公立校と私立校がありますが、メキシコに住む多くの日本人は語学の問題や教育レベルの観点からインターナショナルスクールや日本人学校、私立の現地校に通わせる方が多いようです。私立校の多くは英語とスペイン語のバイリンガル教育を行っており、幼稚園・小学校・中学校の一貫校が多いのが特徴です。私立であってもスクールバスを用意している学校は非常に少なく、保護者が送迎するのが一般的です。なお、メキシコは義務教育であっても落第や退学するケースがありますので、注意が必要です。またメキシコには日本のような給食制度はほぼありません。校内に清涼飲料水やスナックなどの軽食の自動販売機があり、大きな規模の学校にはカフェテリアや食堂が併設されています。
地域別に、外国人受け入れ実績のある教育機関の一部をご紹介いたします。詳細については各校へお問い合わせください。

メキシコシティ

アグアスカリエンテス

ケレタロ

グアダラハラ

モンテレイ

バヒオ地区
レオン

イラプアト

セラヤ

メキシコの日本人学校・補習授業校

メキシコの日系企業が多い地域には、日本人学校や日本人補習授業校があります。現在メキシコには文科省から認定された全日制の日本人学校が3校、補習授業校が4校、日本語補習校が1校あります。いずれも入学条件に国籍要件はありませんが、日本語で授業が行われるため、一定の日本語を理解する能力が求められます。

全日制の日本人学校は月曜日から金曜日まで、日本の学校と同じカリキュラムで授業を受けられるのが最大の特徴で、教師は日本政府から派遣される現職教員が多くを占めます。加えてスペイン語や英語を教える現地採用の教員を雇用しています。文科省認定の在外教育施設であり、日本と同様の評価基準で指導要録(成績表)が発行され、メキシコの日本人学校から日本の学校への転入・受験などはスムーズに行われ、逆の場合も同様です。一方でメキシコSEP認可を受けていないケースもあり、日本人学校を卒業した後にメキシコの現地の高校に進学する際、補習単元が必要な場合があります。

補習授業校は土曜日もしくは平日夕方に、国語算数を中心にした集中的な補習が受けられる学校です。児童生徒は平日はメキシコの現地校に通い、土曜日に日本語で国語や算数・数学などの主要教科を補完します。補習授業校の教員は少数一部が日本政府から派遣され、その他は現地に住む日本人が教えています。
日本人学校、補習授業校(日本語補習校)いずれも私立学校であり、義務教育の学齢であっても入学金や授業料は必要です。なお、教科書は日本政府から無償支給されます。詳細については各校へお問い合わせください。

日本人学校

日本メキシコ学院(メキシコシティ)
1977年開校、通称リセオ。
日本の教育課程に準拠した日本人子女を対象とする日本コースと、メキシコの教育課程に準拠したメキシコ人子女を対象とするメキシココースがある国際校です。日本コース(日本人学校)では、スペイン語の授業などの他は、日本の小・中学校とほぼ同様の教育が行われています。幼稚園部・小学部・中学部・高等部があります。通学には多くの方が、PTAが運営するスクールバスを利用しています(ルートは予め決まっているので、利用を希望する場合は住居選定する際に、考慮する必要あるでしょう)。
女優の上白石萌音さんが小学校の時に通っていた学校としても有名になりました。

アグアスカリエンテス日本人学校(アグアスカリエンテス)
1982年開校、1997年文部省認定。スペイン語の授業などの他は、日本の小・中学校とほぼ同様の教育が行われています。小学部、中学部があります。通学には多くの方がスクールバスを利用しています(ルートはある程度決まっているので、利用を希望する場合は住居選定する際に、考慮する必要あるでしょう)。
定期的に学校の横にある現地校フランセス校との交流会なども行われています。

グアナファト日本人学校(イラプアト)
2018年文部科学省から認定、2019年開校。英会話やスペイン語の授業などの他は、日本の小・中学校とほぼ同様の教育が行われています。小学部、中学部があります。通学には多くの方がスクールバスを利用しています(ルートはある程度決まっているので、利用を希望する場合は住居選定する際に、考慮する必要あるでしょう)。
メキシコの教育機関、社会、コミュニティとの教育・文化交流活動の促進を目指す開校したばかりの私立学校です。

日本人補習授業校

グアダラハラ補習授業校(グアダラハラ)
1981年開校。准全日制の補習授業校で、幼稚園部・小学部・中学部があります。
月~金曜日:16:00~19:40
教科目:小学1-2年 国語、算数、生活、音楽、体育、総合
    小学3年-  国語、算数、理科、社会、音楽、体育、総合
    中学部   国語、数学、理科、社会、音楽、体育、総合

グアナフアト補習授業校(レオン)
小学部・中学部があります。
土曜日:9:20~14:50
教科目:小学部 国語、算数
    中学部 国語、数学

ケレタロ補習授業校(ケレタロ)
2019年開校。小学部・中学部があります。
土曜日:9:00~ 14:25
教科目:小学部 国語、算数
    中学部 国語、数学

日本語補習校

モンテレイ 日本語補習校(モンテレイ)
土曜日:8:45~12:30
教科目:小学部 国語、算数、数学
    中学部 国語、数学

現地校および日本人学校入学に必要なもの

  • パスポート
  • メキシコ在留カード
  • 日本の戸籍謄本
  • 前籍校の成績表(指導要録写もしくは成績証明書ほか)
  • 前籍校の在学証明(卒業証明書もしくは最終修了学年証明書)
  • 予防接種証明書
  • 学校によって入学/編入テスト など

学校によって異なりますので、詳しくは各校へお問い合わせください。戸籍謄本や成績証明書は日本で取得し、政府認可のスペイン語翻訳も必要になりますので、日本におられる段階からある程度、入学される可能性のある学校の要件を確認されておいた方がよいでしょう。

まとめ

今回はお問い合わせの多い、メキシコの学校や教育事情についてご紹介しました。
メキシコ現地の小学校は仮装して登校したり、お菓子を持参する日など、子ども向けの楽しいカリキュラムがたくさんあります。語学に関しては個人差はありますが、小学校低学年入学の場合、スペイン語は大人たちが驚くほど早く習得できる一方で、高学年で全くスペイン語ができない状態で入学した場合、語学問題が壁になるケースもあるようです。
日本人学校はメキシコに居ながら日本と同等の教育を受けられるところに最大のメリットがあり、母語としての日本語定着、帰国後の進学問題に対しても安心が得られるでしょう。
学校選びはご家庭とお子さま本人にとって、たいへん大きな選択です。教育方針やお子さまの個性を鑑み、どのような学校が適しているのかをご家庭で話し合われ、採用企業にご相談されるとよいのではないでしょうか。
日本に比べメキシコの親たちは頻繁に学校に出むき、子供たちの教育を見守り、一緒に楽しんでいます。家族とメキシコで暮らすために、少しでもお役に立てましたら幸いです。


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