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採用活動が上手くいかない・従業員が定着しない状態を改善する為に企業ができること


投稿日 : 2022年 04 月 06日   更新日 : 2022年 04 月 06日   カテゴリー :メキシコで働く


在墨日系企業で求められる人材の多くは、日本語とスペイン語の語学スキルを持っている方、メキシコでの就労資格を持っている日本人・日系人、また、日系企業や同業界での勤務経験があるメキシコ国籍の方が挙げられ、日本で採用活動を行う際とは異なり、対象となる候補者の人数が限られています。さらに、メキシコではジョブホップをしてキャリアを築くという欧米系の考え方が主流であることから、メキシコ国籍の優秀な候補者は給与が高い外資系企業に引き抜かれることも少なくありません。その為、「企業が候補者を選ぶ」のではなく「候補者に選ばれる企業になる」という考えのもと、採用活動を行う企業が増えてきています。
そこで、優秀な人材を採用する為に企業ができること、在墨日系企業で働く従業員の主な退職・転職理由をそれぞれ5点解説いたします。
採用活動や離職率低下の為の参考にしていただければ幸いです。

優秀な人材を採用する為に企業ができること

1、相場に合った募集内容の設定


給与は自分の生活水準に直結する為、入社の決め手の大半を占めると言っても過言ではありません。その為、給与を抑えて良い人材を確保することはハードルが高く、採用できたとしても早期退職のリスクが伴います。弊社でお預かりしている求人をベースに凡その相場を記載します。


国籍 年齢 経験値 語学スキル 就労資格 給与相場
日本 20代前半~30代 無し スペイン語日常会話レベル 無し 3万ペソ前後
30代前後 業界・職種経験(日本) スペイン語日常会話レベル 無し 3万5千~4万ペソ
30代前後 業界・職種経験 (日本・メキシコ) スペイン語日常会話~ビジネスレベル 有り 4万~4万5千ペソ
30代以上 業界・職種経験、マネジメント経験 (日本・メキシコ) スペイン語or英語日常会話レベル 有り 5万~8万ペソ
50代以上 管理職経験(日本・メキシコ) スペイン語or英語日常会話レベル 有り・無し 8万ペソ以上
メキシコ 20代前半 無し 日本語(日常会話レベル) 有り 2万ペソ前後
30代前後 業界・職種経験 英語ビジネスレベル 有り 3万~4万ペソ
30代以上 業界・職種経験、マネジメント経験 英語ビジネスレベル 有り 5万ペソ以上
50代以上 管理職経験 英語ビジネスレベル 有り 8万ペソ以上

上記から読み取れるように、ある程度業界・職種経験がある場合、日本人・メキシコ人の給与相場はほとんど相違がありません。また、日本国籍の場合、メキシコでの就労経験や就労資格の有無で給与が異なる傾向にあり、経験値が高くなれば高くなるほど専門スキルを重視し語学スキルは二の次になります。これは専門性と語学スキル双方を持ち合わせた方が非常に限られてしまう為です。

また、給与のみでなく福利厚生も重要なポイントです。
法定福利のみでなく、保険制度や通勤サポート、積立金、フードクーポンなどのプラスの福利厚生は、特にメキシコ在住者が気になる項目です。 また、コロナウイルス流行に伴い、高額医療保険を必須条件とする求職者が目立つようになりました。
日本人を採用する場合は、ビザ申請・更新費用サポートを行っている企業が多く、さらに渡航費用補助があると喜ばれます。
企業によっては条件を設けて、入社後〇年以内に退職した場合は要返金と定めている企業もあります。
福利厚生についてはこちらをご覧ください。

2、業務内容が分かりやすい求人を作成する

具体的な業務内容が求人票に記載されていると仕事のイメージが湧きやすく、その企業が採用にどれだけ重きを置いているのかを判断する指標になります。
以下2つの求人情報をご覧ください。
一つ目は職種名から容易に想像できる範囲の説明で、求職者にとっては具体的な業務を想像しづらい内容となっています。一方、二つ目はどのような場面で、どのような内容の仕事が発生するのか、またそれぞれの業務の比率までが記載されており、求職者は自分のスキルと求められる事柄の比較ができる内容となっています。具体的に情報を提示することで、選考に進んだ際、企業・求職者双方にとってミスマッチが発生しにくくなり効率アップにも繋がります。


■職種  :通訳翻訳兼事務職
■業務内容:・通訳翻訳業務、アドミ業務
■職種  :通訳翻訳兼事務職
■業務内容:
    ・通訳業務:現場通訳、会議通訳(日本との月次会議の際は残業発生見込み)
    ・翻訳業務:メール翻訳、マニュアル翻訳(日⇔西)
    ・都度発生する事務業務(支払い処理、社内行事スケジュール管理等)
       ※通訳:翻訳:事務=約5:4:1

こちらに関しては求人をお預かりする際にクイックグローバルメキシコからヒアリングをさせていただきますので、ご協力をよろしくお願い致します!

3、面接対応



面接では候補者がそのポジションに相応しい人かを見極める為に、企業からの質問が中心になる傾向にあります。しかし、どれだけ良い人材でも、企業に興味を持てなければ入社には至りません。面接の中で行われる会社説明やポジション説明、なぜこのポジションを求めているのかなどを説明し、双方にとって理解しあえる場にすることが重要です。
また、昨今WEB面接が主流になっています。画面に面接官がしっかりと映っているかを確認したり、複数人いる場合は誰が話しているか分かる状態にする、など企業の雰囲気を少しでも伝えられるようにすることをお勧めします。求職者もWEB面接に備え、事前準備を行っていますので、面接官の方もしっかりとご準備をお願いいたします。
クイックグローバルメキシコでは面接終了後に企業・求職者双方に面接のフィードバックの提出を依頼しています。候補者からのフィードバックで好印象を持たれる企業は、会社説明を丁寧に行っていたり、オフィスや工場を案内したり、選考の途中で同年代や同ポジションのスタッフとの面談時間を設けたりと、企業側からの情報量が多い傾向にあります。 面接のコツや事例別の対応方法については、弊社の日本本社【株式会社クイック】が運営する「採用サロン」にて情報を掲載しております。面接が上手くいかない企業様や初めて面接をされるご担当者様は是非ご確認ください。
採用選考の記事一覧
採用活動で役立つ資料一覧
※日本での採用活動を前提に提供しているサービスとなりますので参考までにご覧ください。

4、判断のスピード

書類選考から面接、面接から内定のスピードが早ければ早いほど候補者にとってその企業が魅力的に感じられます。スピード感はその企業が採用にどれだけ重きを置いているのか、どれだけ自分を採用したいと感じてくれているのかなどを示す指標になる為です。すぐの判断が難しい場合は予めいつ頃結果が出る見込みなのか、また、どういった理由で時間が掛かるのかをお知らせいただくことをお勧めします。

5、入社後のフォロー



入社後のフォローで重要なことの一つとして前任や同僚からのOJTはもちろんですが、メキシコでは、増員だけでなく欠員補充による採用も多く、入社してからの引継ぎ期間がないケースもみられます。その分野の経験が豊富な方にとっても、新しい会社で新しいルールの下で働くことは初めてです。その為、入社後にしっかりと会社の方針や業務内容などの説明を行い安心感を与えることをお勧めします。
また、悩み事があっても新しい環境で相談できる人が周りにいないと、その悩みを解決できないまま早期退職に繋がることがあります。その為、特に入社間もない時期は上司や同僚から積極的に声をかけて様子を把握し、困っていることがある場合はしっかりと耳を傾けてみてください。多少の不満があっても「会社が寄り添ってくれているからもう少し頑張ろう」という気持ちになり、踏みとどまるきっかけとなります。

主な退職・転職理由を知って離職率低下につなげる

次に、これまで多くの方々の転職相談を受けてきたクイックグローバルメキシコの経験をもとに、主な退職・転職理由をご紹介します。理由を把握することで対策が可能になりますので、離職率に悩まれている企業様は是非参考にしてみてください。

1、待遇UPやキャリアアップ

メキシコ人だけでなく、日本人もこれらの理由で転職を希望される方は多数いらっしゃいます。対策としてすぐに待遇を上げることは難しいかと思いますが、定期的にその方が描くキャリアプランをヒアリングしたり、その方の能力に応じたキャリアパスを用意することで、転職を繰り返すよりも留まった方がキャリアアップに繋がると考えられ、転職を防ぐことができるかもしれません。通訳翻訳職のキャリアアップのため語学レベルに応じた昇給制度を設けているケースもあります。

2、社内の雰囲気、ハラスメント



意外と多いのがハラスメントによる退職です。自分自身へのハラスメントのみでなく、他の従業員に対するハラスメントがある場合は、それが理由で社内に居づらいと感じてしまう人も多い様です。特にスペイン語ができる日本人、日本語ができるメキシコ人の場合は板挟みになり苦痛に感じる人も多く、メキシコ人への指導の中で差別的な発言がある場合、それを通訳する方がストレスを感じられることもあります。総合職で現地スタッフとの通訳も務めるBさんは、メキシコ人は日本人に比べて叱責される経験がないため、仕事上での注意であっても個人が否定されたように感じることがある様だとおっしゃっていました。業務上、厳しい指導が必要な場面もあるかと思いますが、相手の言い分にも耳を傾けたり、言い回しを工夫してみてはいかがでしょうか。
社内環境は社外でも噂になりやすい為、入社希望者が減少し、自社の首を絞めることになってしまいます。

3、家庭の事情

家族との繋がりが強い国民性を持つメキシコでは、就職の為に地元を離れてみたものの、やはり家族の近くに住みたいと考え直して早期退職をする方もいらっしゃいます。弊社では、求職者に転居が問題ないか、転居をする場合は家族が同伴するのかなど確認をしたうえでご紹介しておりますが、面接でも直接考えを聞いていただき、入社後も気にかけてあげることで退職を防ぐことができます。また、急に家族の看病が必要になり退職に至るケースもありますので、高額医療保険に家族分を含めることで家庭の事情での退職者が減るかもしれません。

4、帰国

日本人の場合、日本への帰国を理由に退職するケースもあります。家庭の事情や自分自身のキャリアの為といった理由が中心となります。その方が描くキャリアプランを上司が把握し、社内でのキャリアパスを示してあげるのが退職を防ぐ方法の一つとい言えるでしょうえます。また、優秀な人材である場合は日本本社採用に切り替えるなど柔軟に対応されている企業もあるようです。

5、勤務地の治安

勤務地の治安の悪化に伴う転職は日本人だけでなくメキシコ人の場合でも増加傾向にあります。治安を管理することはできませんが、従業員に危険なエリアへの立ち入りや荷物の管理を徹底するように指導しましょう。また、その中でも治安が落ち着いているエリアに住めるような家賃補助や社員寮の完備、公共交通機関での通勤を避けるために通勤バスや社用車貸与、車両購入サポートなどがあると安心です。
入社後にはメキシコ日本商工会議所の着任後研修セミナーなどを利用し、最新の治安情報や医療情報などを伝えることでメキシコ生活への理解が深まり、仕事へ集中できる体制が整うでしょう。

まとめ

冒頭の説明の通り、語学スキルや業界経験があり、メキシコでの就労を希望する日本人が豊富にいるわけではないことや、優秀なメキシコ人は外資系に流れやすいことから、スキルのある求職者にとってメキシコでの転職活動は常に売り手市場です。「中南米進出日系企業実態調査」によると、在墨日系企業は他の在中南米日系企業よりも、中間管理職、一般職、事務員、製造業など、すべての職種において人材採用難であることが示されています。
面接の方法を工夫することで内定承諾率のアップに繋がり、入社前後の手厚いフォローや働きやすい環境を築くことで定着率を上げることができ、結果的に採用費用の削減にも繋がります。上記すべての項目を実施することは中々難しいかと思いますが、少しでも参考にしていただけますと幸いです。 クイックグローバルメキシコでは、企業様・求職者様双方にとって納得のいく採用活動・転職活動ができるように丁寧なサービスの提供に努めています。人材採用に関するご相談がございましたらお気軽にお問合せください。


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