メキシコに輸入する際の物流費
投稿日 : 2023年 01 月 23日 更新日 : カテゴリー :メキシコの人事部
今回のトピックは、「メキシコに輸入する際の物流費」についてです。
メキシコでは、”輸入時”において、メキシコ特有の通関制度の複雑さや港混雑が原因で「なかなか貨物が港/空港からスムーズに搬出できない」などと、輸入のリードタイム設定にはご苦労されている企業様が多いと聞いております。
しかし、具体的な原因などについては、ケースバイケースでの説明となってしまうため、今回は、メキシコでの「”海上輸送”でメキシコに輸入する際の物流費」に関する内容を説明したいと思います。
メキシコの港湾では様々な業者が混在しており、その業者から各種費用が請求されてくることで、よくわからないままになっている方も多いのではないでしょうか。
直近のトレンドとして、米国生産からメキシコ生産へ切替を検討されている企業様が多い中で、メキシコの物流費を試算するケースも多いかと思いますので、以下情報をご参考に、コスト試算に役立てて頂ければと思います。
(*今回は、わかりやすいように、メキシコペソ表記ではなく、アメリカドル表記で記載しております。あくまでも概算参考用としてご認識ください。参考為替レートは、1USD=20MXNです。)
1、FCL(コンテナ貸し切りサービス)での輸入費用
- 船会社へのリリース費用:(請求の流れ:船会社→(フォワーダー)→コンサイニー)
・約100USD程度/コンテナ
- コンテナターミナル費用:(請求の流れ:ターミナル→通関業者→(フォワーダー)→コンサイニー)
・約 500USD 程度/コンテナ
- 輸入時に発生する税金:(請求の流れ:税務署→通関業者→(フォワーダー)→コンサイニー)
・以下となります。
*メキシコ企業の場合、以下税金のうち、*IVAは実質費用とはなりませんが、その他は費用となります。
- IGI(輸入関税):関税率による(ご利用の通関業者にご確認ください。)
- DTA(通関手数料):CIF価格 x 0.8%
- PRV(書類事前確認料):約12USD
- CNT(通関手続料):約2USD
- *IVA(輸入消費税):(CIF価格 + IGI + DTA + PRV + CNT) x 16%
- 輸入通関手数料:(請求の流れ:通関業者→(フォワーダー)→コンサイニー)
・ご利用の通関業者様もしくはフォワーダー様へご確認ください。
- コンテナ配送費用:(請求の流れ:トラック業者→(フォワーダー)→コンサイニー)
・ご利用のトラック業者様もしくはフォワーダー様へご確認ください。
2、LCL(混載サービス)での輸入費用
- 混載業者へのリリース費用:(請求の流れ:混載業者→(フォワーダー)→コンサイニー)
・約130USD程度/RT(ミニマム設定は、約 300USD 程度)
- CFS倉庫費用:(請求の流れ:CFS倉庫→通関業者→(フォワーダー)→コンサイニー)
・約 100USD程度/M3(ミニマム設定は、約 500USD 程度)
- 輸入時に発生する税金:(請求の流れ:税務署→通関業者→(フォワーダー)→コンサイニー)
・以下となります。
*メキシコ企業の場合、以下税金のうち、*IVAは実質費用とはなりませんが、その他は費用となります。
- IGI(輸入関税):関税率による(ご利用の通関業者様にご確認ください。)
- DTA(通関手数料):CIF価格 x 0.8%
- PRV(書類事前確認料):約12USD
- CNT(通関手続料):約2USD
- *IVA(輸入消費税):(CIF価格 + IGI + DTA + PRV + CNT) x 16%
- 輸入通関手数料:(請求の流れ:通関業者→(フォワーダー)→コンサイニー)
・ご利用の通関業者様もしくはフォワーダー様へご確認ください。
- トラック配送費用:(請求の流れ:トラック業者→(フォワーダー)→コンサイニー)
・ご利用のトラック業者様もしくはフォワーダー様へご確認ください。
《用語》
*CFS(コンテナフレイトステーション)= コンテナターミナル内で小口貨物を1本の輸送コンテナに混載したり、コンテナから取り出したりする集積場である。
*M3(CBM)=Cubic Meter(容積:縦 x 横 x 高さ)
*RT(R/T)=レベニュートン(容積から計算する重さと実際の重さを比較して重い方を採用する計算方法)
3、その他の留意点
ディテンションとデマレージについて
メキシコは、港からの貨物の引き取りに時間がかかる国ですので、”延滞/超過料”が発生するリスクが高い印象です。延滞/超過料がどのように発生するのかをしっかりと理解することが必要となります。
*メキシコでは、ディテンションもデマレージも”Demoras”と呼ぶことが多いので混乱しますが、実際には”ディテンションとデマレージという二つの概念での”延滞/超過料”が発生します。
- ディテンション:(請求の流れ:船会社→(フォワーダー)→コンサイニー)
ディテンションとは、「コンテナ返却延滞料」のことで、FCLサービスを利用する際に、コンテナが港に陸揚げされた日を起点に、コンテナを納入先に輸送し、空コンテナをコンテナヤードに返却するまでの日数がフリータイムを超過した場合に課せられます。
<注意点>
フリータイムは、船会社との契約になりますが、基本的に7日間のフリータイムが設定されているケースが多いと思います。通常輸入品とは異なる大型設備ラインをスポットで輸入する場合など通関に時間を要すると想定される場合には、船会社/フォワーダーにフリータイムを延長するように交渉することをお勧めいたします。
*シーズンにより、フリータイムの延長ができない場合もありますので、ご注意ください。
<ディテンション費用(コンテナ返却延滞料)>
・船会社にもよりますが、約120USD/コンテナ・日です。
- デマレージ:(請求の流れ:コンテナターミナル/CFS倉庫→通関業者→(フォワーダー)→コンサイニー)
デマレージとは、「コンテナターミナル/CFS倉庫の超過保管料」のことで、FCL/LCLともに、コンテナ/貨物が陸揚げされた後、フリータイムを過ぎてもコンテナ/貨物を引き取らずに港に留置された場合に課せられます。
<注意点>
一般的にデマレージのフリータイムは、一律で、7日間で設定されており、ディテンションのように交渉することができません。
<デマレージ費用(超過保管料)>
・コンテナターミナル/CFS倉庫にもよりますが、以下となります。
FCL:約 90USD/コンテナ・日
LCL:約 10USD/RT・日
この記事に関してのご質問は、Trancy Logistics Mexicoまで、お気軽にお問合せください。
執筆者
【本社情報】
日本トランスシティ株式会社
(Japan Transcity Corporation)
【グループでの事業内容】
- 倉庫業
- 港湾運送業
- 貨物自動車運送業
- 貨物利用運送業及び代理業
- 国際複合一貫輸送業及び代理業
- 通関業
- 医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の包装、表示及び保管業
- 発電及び電気の供給に関する事業
- コンテナ、パレット等輸送用機器及び
- 荷役用機器の売買及び賃貸業
- 不動産の売買、賃貸借及び管理業
- 土木、建築の設計、施工及び監理業
- スポーツ施設の経営
- 自動車整備業
- 前各号に関する事業