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メキシコでの人事評価制度


投稿日 : 2023年 03 月 27日   更新日 :   カテゴリー :メキシコの人事部

今回のトピックは、「メキシコでの人事評価制度」についてです。
Covid-19の影響で従業員の自宅待機もしくは在宅勤務を経験された企業様も多いのではないでしょうか。これに伴い、自宅待機中の従業員への給与補償や、在宅勤務中の管理方法等、人事面でのトラブルやお悩み事もよく耳にしております。年始になり、現在支給している給与に加えて様々な賞与や昇給の検討を悩まれ方が多いと思います。今回は「財務」の視点と「人・組織」の視点からお伝えしてまいります。

1、売上・利益と人件費

人件費が上がり続けるメキシコ

インフレ率が毎年上昇しているメキシコでは、毎年多くの企業が従業員の給与を上げております。それに加えて支払義務が発生する「アギナルド(クリスマスボーナス)」「有給休暇ボーナス」といった法定福利や、PTUという労働者利益分配制度も存在します。また、メキシコでは減給の対応が難しく、従業員の解雇処分にも厳しい規定がございます。
人件費は会社の固定費のうち大部分を占める経費とも言われます。Covid-19や半導体不足などで売上に伸び悩んでいる企業もいらっしゃいますが、売上が低迷してしまうと、この人件費が利益を圧迫してしまうことにもなりかねません。
今までは、インフレ率分だけ昇給させていたかもしれませんが、それだけではキャッシュが回らなくなってしまうのです。
そのため、インフレ率分の昇給や社長のペン舐めでの評価ではなく、成果に基づいた評価制度・昇給制度を構築する必要があります。

2、成果とリンクした評価制度とは

評価制度の目的

よく、評価制度を「各従業員の昇給・昇格を決めるための制度」と勘違いされている方がほとんどかと思います。本来の評価制度とは、「設定された目標を達成することで確実に会社の成果を上げる」そして「会社の成果に貢献した(すなわち、設定された目標をきちんと達成した)従業員へ公平に利益を分配する」、このような仕組みを作っていくための制度です。結果として、会社としても成果が伸び、従業員も頑張った分だけ報酬(昇給)を貰える、Win-Winの関係性を作ることができるのです。

成果目標とプロセス目標

もちろん最終的には成果主義となるのが理想ではございますが、業種・職種によっては成果目標の設定だけですとその者の頑張りを上手く評価できないケースもあります。例えば、日々の業務が売上に直結しているわけではない管理部門や間接業務を担当している従業員、まだ発展途上ですぐに目に見える成果を出すことが難しい新入社員など、このような人材に対しては成果目標だけでなくプロセス目標を設定し、日々の行動や考え方の改善状況を評価することが望ましいです。

3、人材の教育

目標の自己設定

目標の設定を全て会社で行うのではなく、従業員自身に立てさせることが重要です。売上や利益率といった数値で表せられる成果目標であれば、会社全体から各部署そして個々人へ落とし込んで設定しても問題ございません。しかし、その成果に繋がる具体的行動については、各個人が自分自身の現状を自己評価した上で、現状と理想との乖離を課題化できるようになることが重要です。また、会社から与えられた目標ではなく、自分自身で目標を設定することで、責任と主体性を持って達成を目指してもらうという目的もございます。

部下の達成状況、その責任は上司にある

正しい目標設定を行えたとしても、全ての方が自律的に目標達成を目指せるわけではありません。日々の業務に追われてしまう、時が経つにつれて立てた目標そのものを忘れてしまうという可能性も十分にあり得ます。

評価者となる上司は、部下が目標を達成できるよう適切なフィードバックを継続し、フォローアップを行う義務があると考えています。評価制度の構築、運用サポートに加えて、こうした評価者に対するトレーニングという部分も重要になります。どんなに良い評価制度を作ったとしても、運用していく評価者の方々がしっかりと被評価者を指導していけなければ、評価制度を運用する意味が無くなってしまいます。

4、終わりに

貴社の人事評価制度は実際どのように運用されていらっしゃいますでしょうか。
第三者が評価しづらい目標内容になっていませんか?
個々人の目標を達成することで、会社の業績が上がるような仕組みになっていますか?
また、評価者はきちんと部下のフィードバックを行えているでしょうか。
実際に社内で運用されている人事評価制度を見直すきっかけになれば幸いです。

弊社では運用アドバイザリーや、一から評価制度を構築するお手伝いもさせていただいております。人事評価・人材教育の面でお困りのことがあれば、お気兼ねなくお問い合わせください。


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<企業より一言>

私たちは東京コンサルティンググループのメキシコ拠点として2012年に設立して以降、日系企業を中心に延べ100社以上の海外進出支援から進出後の財務・会計・税務・経理代行・給与計算・労務・法務・ビザ取得などのバックオフィス業務のサポートを行ってきました。
最近ではメキシコの進出ブームが落ち着き、バックオフィス業務だけでなく、会社としての”経営の仕組みづくり”が必要となってきていると感じます。
初めて駐在される方や会社の管理業務が初めての方でも安心して自社のビジネスや仕組みづくりに集中できるよう、社外パートナーとして全力でサポートさせていただきます。


  • 執筆者のプロフィール

    日本の会計事務所および税理士法人にて、設立、会計・税務や監査を中心に日本の企業サポート。2019年よりメキシコに駐在しており、日本での経験を活かし、中南米での海外進出、会計・税務、人事・労務、人事評価制度等を通じて、日系企業のマネジメントのサポートを行う。

  • Tokyo Consulting Firm S.A de C.V.  General Manager
    吉田 幸弥(Yukiya Yoshida)
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  • 企業のプロフィール

    東京コンサルティングファーム
    【代表:久野 康成/会社設立・会計税務】
      メキシコ進出から撤退まで、メキシコでのビジネスに必要な全てのプロセスのサポートを行う。

    【事業内容】

    • 進出スキームの検討
    • 法人及び駐在員事務の設立支援
    • 総合アドバイザリー(会計・税務・労務・法務)
    • 財務コンサルティング
    • 会計、税務、労務の各種代行サービス
    • 法務・官庁関連諸認可
    • 報告書類作成
    • ナショナルマネージャー研修
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    • 人材紹介
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    • 会計監査


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