メキシコ求人情報とメキシコ就職・転職サポート
今回のトピックは、「メキシコの輸入通関における事前検査(プレビオ)」についてです。
メキシコでは、輸入時において通関業者が自主的に行う事前検査(プレビオ)があります。
前回にも記載しましたが、直近のトレンドとして、メキシコ生産へ切替を検討されている企業様が多い中で、メキシコへの設備輸入などをご予定されている企業様も多いと思います。設備機械に限ったことではないですが、設備機械は通常輸入流動品よりも輸入通関に苦労するケースが多いと思いますので、以下情報をご参考に、スムーズな輸入通関に役立てて頂ければと思います。
メキシコの輸入通関における事前検査(プレビオ)
プレビオ(PREVIO)とは、輸入時において、通関業者が自主的に行う”事前現物内容検査”のことで、輸入通関書類(Invoice/Packing list)に記載されている内容と現物の内容が一致しているか(不一致がないか)を現物目視確認する検査です。日本では、税関による”税関検査”が類似例としてありますが、こちらは税関によるランダム検査であり、また通関業者によって実施されることはほとんどありません。しかし、メキシコでは、基本的には”毎回”通関業者が自主的に現物内容検査(プレビオ)を行います。”税関検査”と”プレビオ”は、“輸入が禁止されている品(薬物や銃等々)が紛れていないか”や“納税額に影響があるような誤った申告を行っていないか”などを申告内容と現物を目視確認する目的で行われますが、通関業者が自主検査を行うというのがメキシコでの独特の通関における慣習とご認識頂ければと思います。(メキシコでも税関検査はあります。) このような独特の慣習の背景には、通関業者も輸入者と同じく輸入品に対する法的な連帯責任があるため、もし仮に、税関検査で輸入禁止品が見つかった場合、通関業者にもペナルティが課さられ、最悪のケースには通関営業ライセンスをはく奪されてしまいます。そのため、通関営業ライセンスのはく奪されないように、通関業者自身で申告内容と現物に不一致がないかを確認することで、自己防衛を行っています。
上記記載のとおり、プレビオは、通関業者の自己防衛として基本的には”毎回”実施することが慣習となっています。そのため、設備機械などを輸入する際には、錆やダメージが発生しないように真空バリア木箱梱包などを行っていたとしても、プレビオで木箱の開梱と真空バリアを開披するケースが多いです。また、開披後は、通関業者も開梱/開披する前の状態に可能な限り戻そうとはしますが、真空状態などは完全に戻すことはほとんどありません。そのため、プレビオを行うことにより、錆や破損リスクが発生してしまいます。
上記のように、通関業者の自己防衛における自主検査であるため、法的に義務付けられたものではありません。
そのため、各通関業者の見解にはなりますが、通関業者とプレビオ回避を交渉することも可能です。プレビオ回避をする可能性が高くなるケースとして以下が挙げられます。
上記にも記載しておりますが、税関検査がないわけではないため、プレビオを回避しても、税関による検査により、現物を開披される可能性はあります。
上記記載のプレビオ対応策については、あくまで参考であり、各ご起用の通関業者の判断によりますので、ご利用の通関業者に事前に対応可否をご確認ください。
この記事に関してのご質問は、Trancy Logistics Mexicoまで、お気軽にお問合せください。
【執筆者】
Trancy Logistics Mexico S.A. de C.V.
Sales/Operation Manager
小林 雅之(Masayuki Kobayashi)
Office Phone: +52(449)996 1901
E-mail: masayuki-kobayashi@trancy.com.mx
Website:http://www.trancy.co.jp
【本社情報】
日本トランスシティ株式会社
(Japan Transcity Corporation)
【グループでの事業内容】
電話番号:+52-449-153-1400
メールアドレス: quick@919mexico.com