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知っておきたい!メキシコで強い産業


投稿日 : 2022年 06 月 09日   更新日 : 2022年 06 月 09日   カテゴリー :メキシコで働く


2021年の世界GDPランキングを見ると、メキシコは第16位、日本は第3位となっていますが、ある説によると、メキシコは2050年には日本を抜きGDP世界第7位になるのではないかと予測されています(※1)


2021年最新 2050年予想
1 アメリカ 中国
2 中国 インド
3 日本 アメリカ
4 ドイツ インドネシア
5 イギリス ブラジル
6 インド ロシア
7 フランス メキシコ
8 イタリア 日本
9 カナダ ドイツ
10 韓国 イギリス

一体なぜこれほどまでの伸びが期待されているのでしょうか。
メキシコは原油産出国で、1980年までは輸出総額の7割以上を石油が占めていました。しかし90年代の北米自由協定(NAFTA)締結を契機にアメリカ向けの輸出・加工拠点として発展を遂げており、現在は中間財や資本財を海外から輸入して、国内で加工・組立を行い、最終財を海外に輸出するという貿易形態が主になっています。
そこで今回は、メキシコの経済母体の推移、「現在のメキシコでの主な産業」、「メキシコ経済近未来の展望」の2章立てでメキシコの強い産業をご紹介いたします。
(※1)BBC「Five superpowers ruling the world in 2050

1、メキシコの経済母体の推移

天然資源から製造業へ



メキシコの石油(原油)はアステカ時代から存在が知られており、医療品として身体に塗布したり、染料や膠(にかわ・接着剤)として利用していました。またメキシコは鉱物資源も豊富で、アステカの人たちは金や銀を装飾品などに使用していました。
16世紀のスペイン人の侵略に始まり19世紀の独立戦争まで、メキシコはスペイン、フランス、アメリカと戦いました。メキシコに石油や鉱物の豊富な天然資源があることを知った諸外国は、競ってメキシコの金や銀、石油などの発掘に力を注ぎました。
メキシコで働く上で知っておきたいメキシコの近代史と政党」で詳しくご紹介したように、1910~20年の革命期に、外資がメキシコ石油産業へ進出し、利権を独占することに対する反感が高まりました。そこで、1934年に大統領に選出されたラサロ・カルデナス(PNR、後のPRI)は鉄道と石油を国有化し、中小企業の保護育成を促進させ、メキシコ経済の自立化を目指しました。
またメキシコは、金、銀、銅、亜鉛などの豊富な鉱物資源を有しています。始めは侵略国スペイン、その後はイギリスの資本により発掘が進み、1900年代初頭には世界の銀の半分以上をメキシコが産出していました。2017-8年時点でもメキシコは銀の産出量世界1位です。
これまででわかる通り、豊富な天然資源はメキシコの歴史上重要な役割を果たしてきました。 しかし、現在、石油や鉱物資源はメキシコの輸出品目の上位ではなくなり、立地や労働力を活かした製造業をはじめとする第三次産業がメキシコの経済を支えています。
参考:メキシコ石油産業史序説
JOGMEC 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構「金属資源情報

2、現在のメキシコでの主な産業

製造業の興隆

長年に亘り製造業は国内産業の保護・育成政策が採られてきましたが、1980 年代半ば以降、保護育成策が徐々に見直され、輸入の自由化や外資規制の緩和が進められてきました。
1994 年の北米自由貿易協定(NAFTA)発効を契機に、メキシコは安く質が高い労働力を強みに、アメリカへの輸出拠点として先進諸国からの投資が増えました。2022年現在もメキシコは中間財や資本財を輸入し国内で加工・組立を行い、最終財を海外に輸出する製造業が経済の母体となっています。自動車産業、電気・電子産業、航空宇宙産業等では、最終組立業者の進出に伴って裾野産業も育ち、部品・原材料の国内調達比率は徐々に高まってきています。NAFTA 域内のアメリカとカナダに加え、アジアや中南米の新興国への輸出も好調に推移し、メキシコの輸出全体に占める工業製品は 1990 年代後半には 80%に達しました。
発展途上国では第1次産業で働く人の割合が多いですが、発展が進むにつれて、第2次産業、第3次産業の割合が増えていきます。現在新興国であるメキシコでは2019年に第3次産業が6割を超えました。
メキシコの主要な輸入輸出先は隣国のアメリカで、輸入全体の約44%、輸出全体の約81%を占めています。主な輸出品は第3次産業の工業製品が最も多く、2019年には約9割、その半分以上が自動車部品です。第2次産業(鉱業、電気・ガス・水道、建設、製造業)が占める割合は縮小傾向にあります。



輸出品目 金額
100万USドル
構成比
農産・林産品 16,121 3.5%
畜産・水産品 1.984 0.4%
鉱産品 32,174 7.0%
  原油 22,552 4.9%
工業製品・同部品 410,836 89.1%
  自動車・同部品 147,757 32.0%
    乗用車 50,897 11.0%
  電気・電子機器 70,049 15.2%
  産業用機械機器 15 0.0%
輸出総額 461,115 100%

出典:JETRO「メキシコ
経済産業省「中南米の経済概略

メキシコのTOP企業



近年、メキシコではどのような産業や企業が強いのでしょうか。
メキシコの経済メディアexpansiónが発表した、「メキシコの最も重要な企業」より上位にランキングした企業を20位までご紹介いたします。



企業名 業種 対2018売上比
1 PEMEX 石油 -16.6%
2 American Movil 通信 -3.0%
3 ウォルマート 小売 4.9%
4 CFE 電力 5.1%
5 FEMSA ホールディング 7.9%
6 GMメキシコ 自動車 5.5%
7 FCAメキシコ 自動車 -5.5%
8 Alfa ホールディング -7.8%
9 日産メキシコ 自動車 -9.2%
10 BBVA 金融 8.8%
11 Bimbo 製パン 0.9%
12 Cemex セメント -8.7%
13 Volkswagen メキシコ 自動車 5.4%
14 Banamex 金融 18.7%
15 Grupo BAL ホールディング 6.0%
16 Banorte 金融 9.8%
17 Grupo Mexico ホールディング 1.9%
18 コカコーラ 飲料 6.7%
19 Grupo Coppel 小売 12.8%
20 Comercio OXXO コンビニ 10.4%

売上を伸ばしているのは、化学・石油化学、自動車組立工場、鉄鋼・冶金などの企業で、続いて金融、保険・債券、自動車部品、物流、運輸などが挙げられます。情報技術と電子商取引も順調に推移しています。上記リストのうち、PEMEX(石油)とCFE(電力)は国有会社です。

3、メキシコ経済近未来の展望




前掲ランキングの前年度比からもわかる通り、ここ十数年にわたってメキシコの経済成長を支えてきた自動車産業は、現在世界的な半導体等の材料供給難に苦しめられ、生産活動が停滞している状況です。しかし部品生産は堅調に回復をみせており、新型コロナ感染拡大前の水準にまで戻りました。2021年の自動車・同部品製造業への対内直接投資額は過去最高で、この中には北米自動車産業の電動化を視野に入れた案件も見られ、メキシコで車載用電子製品などを組み立ててアメリカに輸出するオペレーションは、関税コスト削減の観点からも今後も発展するとみられています。
また「意外に知らない、メキシコはこんなにすごい国!」でご紹介した通り、中東に比肩する産油国であるメキシコは、中間選挙に勝利したAMLO(アムロ)大統領が掲げる、エネルギーの国内需要を「自給自足」する政策にも注目が集まっています。PEMEX(メキシコ石油公社)は技術や資金の不足による生産量の減少で経営は悪化していますが、メキシコ政府が減税や資金注入で支援する見通しであり、南部タバスコ州で新たな油田が発見されたニュースも加わわり、メキシコのエネルギー産業の今後にも期待が寄せられています。
出典:JETRO「2021年のメキシコ自動車産業

4、まとめ

米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)だけでなく、世界51か国と自由貿易協定(FTA)を結び、順調に製造業主体の経済大国として先進国の仲間入りをしつつあるメキシコ。 天然資源、若い労働力が豊富なメキシコは優良な投資先であり、日系企業を含め数多くの外資系企業が進出をし続けています。 今回ご紹介した自動車部品メーカー や、製造業を支える商社物流、また、数は多くないものの、エネルギー事業の求人もございますので、メキシコで働きたい方、ご興味のある方は、是非お気軽にクイックグローバルメキシコにご相談ください。
出典:「主要産業の動向と FTA 等の動向


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