メキシコに住む日本人に人気の職種ベスト5

近年、円安の不安や将来の展望から海外就業を目指す方は少なくありません。海外で働く際、給与が支払われる現地通貨の為替価値は重要なポイントのひとつです。記事「知っておきたい！メキシコで強い産業」で示したように、豊かな資源を有するメキシコは今後の成長が高く見込まれる国で、2050年にはGDPが日本を抜いて世界7位になると予測されています。
またメキシコは日系企業の進出が盛んで、日本人が働ける仕事が数多くあります。成長が見込まれ物価の安いメキシコで働くことは、今やチャレンジ精神を満たすだけでなく、地に足のついた選択のひとつであると言えるのではないでしょうか。
今回は、海外就業先として人気のメキシコで、日本人が数多く働く職業、人気の職業ベスト5をご紹介します。

１、通訳翻訳職

日系企業進出に伴い、メキシコの公用語であるスペイン語と日本語のやりとりをサポートする通訳翻訳職は常に売り手市場です。「スペイン語の通訳としてメキシコで活躍するには？」や「海外で大活躍！スペイン語の通訳・翻訳職のキャリアパス」に記載の通り、日西語通訳翻訳者は英語通訳者より母数が少ないため需要が高く、初級レベルからビジネスレベルまで、幅広いスキルレベルの方が活躍されています。スペイン語日常会話レベルで他の仕事に就き、語学レベルを上げてから通訳翻訳職に転向される方も少なくありません。またその逆もあります。
メキシコはアメリカに接しているにもかかわらずエリアによっては日本以上に英語が通じにくいため、日西通訳翻訳者は業種を問わず様々な職場で活躍できる人気の職業です。

２、事務・アシスタント職

メキシコの日系企業の総務職や、後にご紹介する会計・経理職は英語のできるメキシコの方を採用する企業が多いように見受けられますが、ある程度規模の大きい企業や、日本人駐在員を多く抱える企業は、日本人や日本語のできる方が歓迎されます。仕事の幅は広く、一般的な事務仕事の他に社長秘書や簡単な通訳、日本人出向者のサポートなどを兼ねるケースも多いようです。新卒で総合職に就職されたBさんの業務割合は通訳と購買関係が全体の9割くらいを占め、一方でシンガポールからメキシコに来た総務職のGさんのお仕事は社長アシスタントと営業サポートがメインです。
上層部の方や会社の部署すべてと関わる仕事のため、やりがいがあり面白い仕事のひとつです。記事「日本人がメキシコで探せる代表的な6種類の仕事の特徴と日本との違い」でご説明した通り、日本の事務職に比べると人とのコミュニケーション能力が求められる傾向にあります。

３、営業職

営業はメキシコにおいても売上に直結する会社の中心的ポジションで、各企業、日本人とメキシコ人で構成されているケースが多く、日本人の営業職の場合、在メキシコ日系企業に対するB to BやB to Cの営業を行います。国土が広く電車インフラの少ないメキシコでは営業職には運転免許を求められます。
営業職も一定の英語力・スペイン語力のある方は歓迎されます。メキシコの営業職は自動車関連企業が多くを占め、営業にも資材調達などの管理コントロールを担当するケースもあり、「コロナ禍でメキシコ転職！前向きさで状況を打開する！」で営業職に就職されたIさんのように人と関わることが得意な方はもちろん、試算や管理能力に優れている方にも人気の職業です。

４、技術職（製造・機械・電気系）

以前の記事「その技術、世界で活かしませんか？」の記事でご紹介した通り、日本は自動車産業の技術分野や研究分野で世界的に高い水準を保っており、製造業に欠かせない製造・機械・電気系の技術者は、メキシコの企業から常に求められています。在メキシコの日系企業は限られた人数の日本人で運用しているため、日本人の技術職の方はメキシコでは現地スタッフ技術者の指導や管理、新規プロジェクトの図面や方策策定などを担当するケースが多いようです。
メキシコは工学分野のレベルが高く、今年2月にもJAXA国際宇宙ステーション（ISS）「きぼう」日本実験棟の連携協力公募にメキシコの大学が選定されてニュースになりました(*1)が、自動車産業を支える機械工学の人材育成にも力を注いでおり、日本の高専制度を導入し機械工学および物質材料の専門知識を学ぶメキシコ版KOSEN(*2)があります。バヒオ地区の自動車産業の製造業では優秀なメキシコ人の技術スタッフを育成する立場となり、日墨相互に刺激し合えるお仕事です。
(*1)JAXA「国連宇宙部との連携協力（KiboCUBE）」
(*2)在メキシコ日本大使館「メキシコ初の高等専門学校（KOSEN）開校！」

５、会計・経理職

メキシコには、KPMG、Deloitte、EY、Fair Consultingなどの世界大手の会計会社が進出しており、在メキシコ日系企業の多くは、これらの会計会社と委託契約を結んでいます。規模にもよりますが、各企業の会計・経理職は委託先の会計会社と連携しながら、財務報告や税務処理などを行います。メキシコ人スタッフと協力しながら実務を行い、現地法人の社長や日本本社への報告書等を作成します。日本で財務会計の経験がある方は特に歓迎されます。財務のメキシコ人スタッフの多くは英語ができるケースが多いため、他の職業に比べ求められるスペイン語スキルも高くありません。メキシコは「メキシコ在住でも知らない？メキシコの福利厚生とは」の記事でご紹介したように社会保障制度や年金制度などが充実しており、またPTU制度など日本にはないシステムもあるため、国際的な財務会計のスキルが身につけられる、業界経験者には人気の職業です。

今回はメキシコに住む日本人に人気の職業をご紹介しましたが、日本人が求められている自動車産業では、これらの職種に加えて色々なお仕事があります。詳しくは「メキシコの自動車産業ではどのような仕事をしているの？」をご覧ください。

---

クイックグローバルメキシコでは、メキシコ就業を支援しております。ご興味のある方は是非お気軽にお問合せください。