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メキシコのビザ手続


投稿日 : 2024年 03 月 25日   更新日 : 2024年 03 月 25日   カテゴリー :メキシコの人事部

今回のトピックは、「メキシコのビザ手続」についてです。
メキシコに進出している日系企業にとっては、駐在員の受入などビザ手続は必要不可欠な手続ですが、日常的に生じる業務ではないことから、定着しにくい業務でもあります。今回は、ビザ(査証)にかかる手続についてまとめます。

1、メキシコの就労を伴うビザ

メキシコにおいて報酬を得ること(就労)を目的としてメキシコに滞在する場合、たとえ短期間でも就労許可を伴う査証(ビザ)が必要となます。メキシコ滞在期間が180日以内の場合は、「報酬を得る場合の訪問者用査証」、180日から4年の場合は「報酬を得る場合の一時居住者用査証」を申請することとなります。
駐在員やメキシコ法人が直接雇用する日本人など180日よりも長い滞在期間が想定される場合がほとんどですので、多くの場合が、「報酬を得る場合の一時居住者用査証」を申請することになると考えます。

2、ビザ手続の流れ

  1. 雇用主登録(Inscripción de Empleador)
    メキシコの事業者が外国人を雇用する場合(報酬を支払う場合を含む)は、まず、Instituto Nacional de Migración(移民庁、以下「INM」といいます。)に外国人を雇用する者としての登録を行う必要があります。この場合、事業所の住所を管轄するINMに必要書類を持参し、申請します。
    申請が認められ登録が完了すると、登録証(Constancia de Inscripción de Empleador)が発行されます。
    この登録があることが、ビザ手続の前提となります。
  2. 就労許可を伴う査証の承認申請(Autorización de Visa por Oferta de Empleo)
    外国人を雇用する事業主は、INMより当該外国人の雇用に際し、就労許可付ビザの承認を受けなければなりません。その申請は、メキシコの事業者が行うものであり、1. の登録証の他、雇用を予定する外国人の雇用条件等を記したレター、外国人のパスポートの写しなどを提出し、行います。
    この申請が承認されるとNUT(Número Único de Trámite)と呼ばれる手続管理番号が付与されます。
  3. ビザ申請(面接)
    ここからが、ビザ申請者が行う手続となります。
    ビザ申請者はNUTを用いて、在外メキシコ大使館または領事館に、ビザ発給のための面接を申し込みます。面接においては、2. においてメキシコの事業者が申請した内容の確認が行われます。
    なお、必要な書類や予約の取り方は、各大使館・領事館で異なるため、面接を申し込む大使館・領事館に事前に確認をとることが重要です。また、日本国籍や日本在留許可を有するビザ申請者の面接場所は、在日メキシコ大使館に限定されているわけではありません。例えば、在米国メキシコ大使館や領事館でも面接が可能です。ただし、面接対象者を管轄地域の居住者に限定している場合もありますので、この場合も面接希望先への事前の確認が推奨されます。
    面接の後、メキシコへの入国に問題がないと判断された場合、ビザが発給されます。
  4. 時居住者カードの取得
    3. でビザの発給を受けた外国人は、ビザの発給から180日以内にメキシコに入国し、また、入国後は、入国から30日以内に、一時居住者カードの発行申請を行わなければなりません。この手続はExpedición de Documento Migratorio por Canjeと呼ばれています。
    入国審査の際には、パスポートに滞在条件が「Canje」、その日数が「30」日と記載されていることを確認します。
    入国後、居住する住所を管轄するINMに一時居住者カードの発行申請を行い、一時居住者カードを取得します。就労許可が伴う場合、カードには「PERMISO PARA TRABAJAR」と記載されます。

3、メキシコの会社の留意点

INMに外国人を雇用する雇用主として登録を行ったメキシコの事業者は、登録の情報を最新に保つ必要があります。情報更新の手続をActualización de Constancia de Inscripción de Empleadorと呼びます。
まず、年に1度、税務申告書を提出しなければなりません。
その他、住所や法定代理人を変更した場合は、その変更から30日以内に、これをINMに届出なければなりません。また、会社名を変更した場合などもこれをINMに届出なければなりません。
このように、登録情報を最新に保つことは、ビザ手続などを滞りなく行うためにとても重要となります。

4、メキシコで就労する外国人の留意点

メキシコに居住する外国人も、氏名、国籍、住所、勤務先、婚姻関係の有無に変更があった場合はINMへ届出を行わなければなりません。その期限は、変更があった日から90日以内と規定されています。特に、住所の変更について、届出を怠っていたことから罰金を科された例を聞くこともありますので、忘れることが無いよう注意が必要です。


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